察する能力

夜中 家族から起こされた。
そのとき私の左手には寝落ちしたまま動画を再生し続けるスマホがあった

たまたま カードリーディングの動画になっており
いつも優雅に神意を告げるIROHAサンの言葉が耳にとびこんできた

「お相手は、自分のことにいっぱいいっぱいで、あなたの思っていることを察することができません」
「やめた方がいいのは、言わなくてもわかるはずだ、という考え方」

このところ、急激に人との関係が破壊と修復に向かいつつある
このパターンはいつか来た道


たいていは
我慢に我慢を重ね、しらないうちに怒りが蓄積し、

はじめて「ほんとうのこと」を喋った瞬間に魔法が解け、
その人との関係が終わる
というパターン

私は、人に合わせるのが得意なのだ
だけど
自分のことを、相手が「自分が思ったほどには」察してくれない。
いいよ いいよと 言っている間に 怒りがどんどん蓄積され、
いつしか その怒りが行き場を失い、
噴出する

私は、本当のことを、黙っていたけど
少ない言葉で、穏やかな、比較的穏やかな言葉で
述べるだけなのだが

相手にとってはセイテンのヘキレキとなって
まるでカミナリに打たれてシビレタみたいな激烈な症状となって
あらゆる防衛反応を引き起こしてしまう。

ある人は、家出をした。

ある人は、いろんな人に手を回して方々から私を説得しようとこころみた

ある人は、泣いて、脅して、恐怖を使って 私を押さえ込んだ。

私は黙る
私の心は行き場がないから
つねに何かの表現に向かう

晴天の霹靂的なことを避けて、
全ては自分の人間関係の不味さに起因するのだからと
わがままを言わず、自分を抑えればいいのだと
ひたすらあわせることに神経を集中してきた。

表面上はそれでうまくいっていても
そのうち、いつかまた そのセイテンのヘキレキがやってくる。

誰もが、私の「察する能力」に期待して、
私をコントロールする。

そして、私は
「察すると、相手に喜ばれる」と思い込んで
自分が察して行動することで 相手を喜ばせることに全力を注いでしまう。

そこに、「私自身」の意見はない
私自身の心は 尊重されず、置いてけぼりのまま、
誰かに利用され 利用され 利用されつくしてしまう

あなたは、利用されるのが好きだから利用してやると
言わんばかりに
相手はまったく 罪悪感を感じることなく
私の人生の時間を奪い去っていく

察する能力を 動物さえ利用する

彼らは 足元でねだり、私をコントロールする

ね、かつぶしちょうだい
ね、缶詰ちょうだい
ね、シャケをちょうだい
ね、さしみをちょうだい
と。

動物には罪はないというけれど


一方、相手はまったく 私の心を察することはない
そして
私も、自分でありながら、自分を察することが永遠に叶わない


そんなのは嫌だと
いう時が来たのかもしれない。